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2009年07月02日

イチローとかけて

マリナーズのイチローが好調みたいですね。
2001年当時の打撃コーチ、ジェラルド・ペリーによれば
イチローは5種類ものスイングを使い分けているそうです。

1.軽くたたいて左に流す「スラップ」、
2.意識的にボールの下をたたいてセンター前に落とす「ストローク」、
3.野手のいないところへ力をこめてシュートする「スラム」、
4.腕だけでコントロールしてボールを運ぶ「クリスエバート・バックハンド」、
5.難しいストライクを右にはねのけてファウルにする「スポイル」
の5種類。

ただ、「どうしてこんなことができるのかわからない」そうです(笑)。
つまりどうやって瞬時に判断し、使い分けるのか?

そこで、社会学者の大澤真幸は『イチローの三振する技術』(青土社)の中で、
上記のようなことや様々なエピソードを紹介しながら、おもしろい考察をしています。

あるときイチローはストレートを待っていた。
カーブやスライダーや「他なる可能性」が無数にある中でストレートだと決めて待っている。
次にピッチャーがボールを投げた瞬間、イチローはストレートのタイミングでバットを振り出した。
しかしその時投げられた球はカーブ!
振り出しが早すぎる!
このままではバットは空を切り、三振である。
しかし次の瞬間、NHKのスローモーションカメラはイチローの信じられない動きを記録している。
バットを振り出したイチローの動作が一瞬止まるのである。
と同時にほんのわずか後ろにのけぞるように身体が動く。
こうして調整されたスイングは、実際カーブに合わされ、センター前ヒットになったといいます。

おもしろいのはここから。

著者の大澤真幸はこれを、「潜在的な現実を、顕在的な世界へともたらす魔術」だとして
ヘーゲルの言葉を引用します。

「本当の可能性は現実化することでしか示しえない」

事前にストレートと決めていたにもかかわらず潜在的に潜んでいた可能性のカーブ。
逆に、「ああすればよかった」などという事後的な可能性でもない。
イチローは「本当の可能性」をストレートだと決めてかかる「眼差し」の中から
瞬時に生み出すとかそんなふうなことでした。

なんだかすごいですね。

そこで、突然ですがなぞ掛けなんぞをひとつ(笑)。

「イチローとかけて、ヘーゲルと解く。
 その心は?
 瞬間の可能性が全てでしょう」

おや?お後がよろしくないようで(笑)。

(あ、でもWBCの時は使えなかったんでしょうね、その「魔術」(!?)。)



Posted by +0 atelier at 12:01│Comments(2)
この記事へのコメント
やっぱりすごいですねイチロー!

私は野球漫画が好きなので、そういうやり取りを空想の中でなら見たことあります(笑)

WBCの時は・・・。劇的な最後を狙ってたのかもしれません。
Posted by saku at 2009年07月09日 18:09
sakuさんこんにちは。
この本の中でも「巨人の星」がとりあげられていました。
大リーグボール1号から3号を哲学的に考察されてましたよ(笑)。
え?巨人の星では古すぎる?
かもしれませんが・・・。
Posted by +0 atelier at 2009年07月10日 18:23
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