京つう

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2009年12月01日

さざんかの話

去年にくらべてすこーしだけ早く咲いているうちの山茶花(さざんか)ですが、
先日、山茶花にまつわる、私の子どもの頃のにがーいエピソードを思い出しました。
いつもよりちょこっと長文ですが、まぁ読んでやって下さい(笑)。

たしか小学生の低学年だったとおぼえています。
当時私は山科区に住んでいたのですが、お隣にはおばあちゃんがひとりでお住まいで、
その家に山茶花の生け垣がありました。
お隣さんは角地で、それをぐるっと囲むように植えられた山茶花の生け垣は
毎年きれいに沢山の花を咲かせていました。

私は学校から帰ると時々ですがその生け垣に強引にもぐり込み、小さくなって遊んでいました。
今から思うと完全に不法侵入(笑)でしたが、まぁおおらかな時代だったんですね。
道行く通行人に息をひそめたり、好きだった仮面ライダーの消しゴムやなんかで遊んだり、
よくある「秘密基地」みたいなものでしょうか。

その日はいつも遊んでいた近所のK君もいっしょです。
家と生け垣の間にできたわずかな隙に座って話したり、
生け垣の中を身をよじらせながらぐんぐんと進んだり。
楽しかったですねぇ。
何が楽しかったのかわかりませんが、とにかく楽しかった(笑)。
すると、ふと山茶花のつぼみに目がとまりました。
小さくて丸くて、それだけですがなぜか子どもには魅力的。
何か宝物を発見した時のような興奮!
思わず手をのばすとポロッと手のひらに落ちます。その感触がまた良いこと!
「うゎ、つぼみや!これとれるぞ!」
かなりのテンションでそう言ったのが私かK君か忘れましたが、
とにかくふたりして夢中でつぼみを集め始めました。
ちぎってはポケットに入れ、ちぎってはポケットに入れ。
そのうちズボンのポケットはパンパンに。
それでもあき足らず家からスーパーのビニール袋を持って来て、とにかく手当たりしだいに
山茶花のつぼみをちぎって集めたのでした。

その夜。
うれしかったんでしょうね。
私はパンパンのズボンのポケットとスーパーの袋に満タンのつぼみを母親に見せて自慢します。
「見て見て!つぼみ、こんなにとれたで!」

この時の絶望感を今でも母は忘れられないといいます。
「なんちゅーひどいことするんや!」
こっぴどく叱られた私はしかし、わけがわからず頭の中を
「なんでやーなんで怒られんのやー」がぐるぐる回っているのでした(笑)。

後日、私とK君、そして親と共に菓子折りをもってお隣のおばあちゃんに謝りに行くことに。
「ほら、ちゃんと謝りなさい!」と母。
「つぼみをとってごめんなさい」とつぼみを差し出す私とK君。
するとおばあちゃんはゆっくりと
「そうかそうか、よくまぁちゃんとあやまれたなぁ。はい、わかりました」
そう言って、ニッコリとされたのでした。

本当に申し訳ないと菓子折りを差し出す母、いやいや子どものすることだからと
受け取らないおばあちゃん。
そんな問答がしばらく続き、最後はじゃあこうしようとおばあちゃんはおもむろに菓子折りの
箱を開け、少しだけ自分の分をとると、残りをふたつに分けて私とK君に持たせたのでした。
「ちゃんとあやまれてえらかったな。はい、持って行き」
差し出されたお菓子をなんのためらいもなく受け取る私(笑)。

そしてその年、お隣の山茶花の生け垣はちょうど子どもの背丈あたりを境目に、
上の方だけ花をつけたのでした。

(うちの山茶花です。おばあちゃん、あの時は本当にごめんなさい!)



Posted by +0 atelier at 12:00│Comments(0)
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