京つう

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2007年07月25日

ナイフ

私はあまり小説を読みませんが、
妻に勧められて一気に読んだものがある。
短編集です。

「ナイフ」重松清 (新潮文庫)

子どものいじめをテーマに、そこに生きる大人や子どもを描いたもの。
こう書くと「重い」小説の様ですが、
読んだ後は、なぜかすっきりと、清らかで、静かに満たされた気分です。
私はテレビや映画でガンガン泣くのですが、同じ様な人、いや、
そうでない人も電車では読まない方がいいかも。
わたしはズタボロに泣きました。

いじめ問題を解決する「短期的な」処方箋、
いわば「すぐ効く薬」というか、そんなふうなことを紹介している本があります。
そんなのあるの?という感じですが、そこにはこう書かれています。

 1.暴力系のいじめに対しては学校内治外法権を廃し、法システムにゆだねる。
  そのうえで、(加害者が生徒である場合も教員である場合も等しく)
  加害者のメンバーシップを停止する。
 2.コミュニケーション操作系のいじめに対しては学級制度を廃止する。
 (「いじめの社会理論」内藤朝雄 柏書房より)

少し難しい言い方ですね。要するにこういうことです。

 1.暴力を見つけたら警察に通報して、退学させる。
 2.しかとや陰口なんかには、クラスや学級会といった、「強制的な」枠を無くしてしまう。

こう書くとにわかには賛成しがたい人もいるのではないでしょうか。

「学校に警察を呼ぶのだけは待って下さい!」と教頭先生に訴える金八先生や、
「おれたち同じクラスなんだから」というセリフは今の学園ものでも見られますものね。

学校は「聖域」というイメージは根強いし、
戦争映画ですら仲間のための死を美化していますものね。

けれどこの著者は学校だけでなく、今の日本を「中間集団全体主義」がはびこる社会
であるという切り口から理論を展開します。

すこし難しい本ですが、わからないところは飛ばしちゃえ!(って、それはあかんか。)
いじめの実例も取り上げながら具体的に説明していますから、一読の価値ありですよ。

ちなみに、始めに紹介した重松さんの小説、
他に、短編集なら「日曜日の夕刊」、長編なら「舞姫通信」も大泣きです。




Posted by +0 atelier at 18:30│Comments(0)
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