京つう

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2007年08月16日

生活の糧

ずいぶんと前の「美術手帖」(美術出版社)だったと思いますけど、
「自分の贋作者」という言葉を使って、面白いことが書かれていました。

画家がある作品で有名になり、
これでいける!と、同一のテーマ、同一のモチーフで何枚も描き、
その画家は自分の芸術の、いわば贋作者になるという、
そんなふうなことです。

もちろんそうなるには理由があって、
芸術家といえども、生活しなければならない、お金が必要、
みたいなことです。

例えてあげられていたのはヘイドン。
彼は、あるナポレオンの絵で評価を受け、生活のため、ナポレオンを何枚も描き、
しかし、同じ主題を安易に描く自分を、自分自身の贋作者とみなし、
最後には自殺してしまいます。

ウォーホール以降の現代では、にわかに信じがたい話かもしれませんが、
いつの時代も芸術家が完全に自由だったことはないということですね。

それに比べたら今はいい世の中かもしれませんね。
生活のために昼はコンビニでバイト。夜は小さくてもステージでバンド活動。
パトロンや経済の圧力を「直接」受けない分、自由に歌う。
もちろん生活は苦しくて将来は不安だけど、やれるだけやる。
そんなスタイルで活動する姿はある意味、市民権を獲得しています。

でもさっきのヘイドンさん。
よっぽど自分の行為が許せなかったんでしょうね。
でも恥じることなんてなかったのに。(いやもともと恥じてはいないのかな?)

とにかく大切なのはその時代を生き抜くこと。
根性入れ直しでもいいし、「戦略」と居直って肩の力を抜くも良し。

「生きる事には意味はない。でも生きてりゃけっこう楽しい」って、あれですよ。

(17日まで夏休みにしました。18日までコメントをお返しできませんが、
 ご了承ください。でもよかったら是非どうぞ!photo by うるめもどき)



Posted by +0 atelier at 18:30│Comments(2)
この記事へのコメント
こんばんは。
ヘイドンの話、おもしろいですね。
ヘイドンが自分の内なる贋作者を見つけ出し、殺したら、自殺だったというオチはちょっとミステリーチック。
押井守が映画化すればおもしろくなりそう、な気がしました。
もしくはファンタジーノベル大賞あたりにエントリーされてそう・・・?。
Posted by もり at 2007年08月16日 19:29
もり様へ
おはようございます。
押井守!たしかに!イノセンスでのちょっと病的な繰り返しのシーンがすぐに浮かびました。
2005年のユリイカに、押井は攻殻機動隊の2nd GIGで、
少しベタな戦争を描いてしまったといった評がされていました。
これも納得なので、それと合わせて今回のヘイドン、
あの緻密な映像でヘイドン個人をじっくり描くと
すごいものになりそうですね。
ちなみに私は古谷実のマンガ「ヒミズ」が浮かびました。
グロテスクなコミックなのであまりお勧めはしませんが・・・。
ではでは!
Posted by +0 atelier at 2007年08月18日 11:44
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