京つう

住まい・建築  |右京区

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2007年08月03日

タイにて。

以前勤めていた設計事務所で、
タイへ研修旅行に連れていっていただいたことがある。

写真を整理していると、その研修旅行でアユタヤ遺跡へ行ったあとに
バスの中で書きとめたメモが出て来た。

「アユタヤ遺跡は意外と力強いが、仏像の首は全て切られて売られてしまっている。
 ガイドが、タイ人は新しいものが好きです、と説明していたが、
 それでは全てを語れない様な悲しい風景。
 首を失った仏像はアユタヤにぽっかりと空白をうみだしている。
 レンガ色と雑草、小さな花とあるじを失った塔。首のない仏像、
 スプリンクラー、のら犬、これらを芝生と石畳で包み込み、結果、
 なぜか美しい。11月17日 3:25 車中にて」

目に入ってくるものは悲しいものの方が多かったのですが、
なぜか美しいと感じてしまった、不思議な体験でした。

このメモが出て来て、なぜ美しいと思ったのか、しばらく考えてみたのですが、
意外と不思議でもないようなことかもしれない。

例えば、抽象画なんかを見たとき、モチーフに悲しみが背負わされていても、
その絵自体は美しい、というのはむしろ普通かもしれない。
もっと単純な例えでは、きれいで大好きな歌は、気付かなかったけど
悲しいメロディーで、悲しい歌詞だったといった具合。

悲しみを脇に置くのではなく、通り抜けて、何か「別のもの」になってしまった感じ、
そんなふうなことでしょうか。

人ってフクザツ。いや単純なのかな?

タイにて。



Posted by +0 atelier at 18:30│Comments(2)
この記事へのコメント
私も、首なし仏像を見にいきました。
記念撮影をするのも、怖かったです。

日陰で横たわるちょっと疲れた黒いノラ犬
鮮やかな赤い花をつけた大きな木
からし色の布を纏った、小麦色のお坊さん
水撒きされて、水滴がいっぱいついた真緑の芝生
快晴の空の下で映えていました。

ガイドのおばさんに、
黄色い服を着たお坊さんには絶対に触れてはいけない。
風でなびいたその黄色の服の裾にすら自分の服が触れても
だめですよ。
と、言われ、でもやたら黄色の服を着たお坊さんが
観光先にいたので、気をつけることを楽しんでました。
CMのキャッチコピーを思い出しました。
「タイは若いうちに行け」
Posted by 京おんな at 2007年08月05日 00:02
いやホント、そんな感じでした。

私の時は「黄色いお坊さん」の話、された様な
なかった様な。でもきっとされているはずですね。

それにしても
「タイは若いうちに行け」。
なるほどー。
うまいコピーですね。まさにその通り!って感じです!
Posted by +0 atelier at 2007年08月05日 14:05
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