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2007年10月31日

都市の抹殺

2002年3月、国際作家議会という団体がパレスチナとイスラエルを訪れました。

作家が団体で、そんなところへ何をしに行ったのか?

実はこの国際作家議会、
言論と表現の自由を守るために、政治弾圧やテロの危難に遭っている作家を
迎え入れる避難都市ネットワークを作るべく創設されたのだそうです。

この時の目的は、詩人マフムード・ダルウィーシュをはじめとする
パレスチナの作家の孤立を打破すること。
日本からは鵜飼哲氏が同行されています。
(ル・モンド・ディプロマティーク 「パレスチナ、領土の廃絶」より)

具体的にはどんなことをするんでしょうね?
「作家の孤立を打破」って、どうやるんでしょうか。

そのあたりがいまいちよくわからないのですが、
創設者クリスティアン・サルモンはこの時の報告書の中で語ります。

「イスラエル人は数十年の間に、キブツというユートピア(理想の場所)を忘れ、
 入植地というアトピア(ありえない場所)へとはまり込んでいった」

なるほど深いたとえですね。
また、こんなことも。
屋根のない建物の残骸や、爆弾の跡、なぎ倒された木々が
見渡すかぎりの風景にあっては、単なる土木機械のブルトーザーにさえ
暴力を感じるとかそんなふうなことも報告されていました。

タイトルの「都市の抹殺」とは、ユーゴスラヴィア戦争当時、
建築家ボグダン・ボグダノヴィッチがバルカン諸都市の破壊を言い表した時の言葉。

この創設者の言葉は、まさにこの「抹殺された都市」の人たちに
どのように届くのでしょうか?
いやその前に、届くのかな?

都市の抹殺





Posted by +0 atelier at 18:30│Comments(0)
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