壁で。

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2007年07月11日 18:30

すこし真面目な話。

建築にとって壁は無くてはならないもの。
壁を透明なガラスにしたところでその存在は「分け隔てる」ことにある。
上手く使えばその「分け隔てる」感じを消して、自然な壁になる。
これが大事。

けれどこの壁の持つ「分け隔てる」という力は恐ろしいものである。
ベルリンの壁は壊されてもう何年にもなるが、
ヨルダン川西岸ではイスラエルとパレスチナを隔てる
高さ4〜8mのコンクリートの壁が建設されている。

民族間の殺し合いを予防する一番の方法は、エリアで分けるのではなく、
みんなごちゃ混ぜにして暮らせばいい。だれも隣人を殺さないだろ?
そんなふうなことを言ったのは誰でしたっけ?

ことはそんなに単純じゃないけれど、「恐ろしい壁」は何を生み出すのだろう?

「世界中に民族は約3000、言語は約5000あると言われています。
 でも国の数は200しかありません。どう考えても、各民族の自決、
 分離独立は不可能です。」
         (「まんが パレスチナ問題」講談社現代新書より)

あなたの家にある「壁」はどんな壁ですか?