毒物宅配

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2007年09月23日 18:30

もう何年も前のことだと思いますが、こんな事件を覚えていますか?
「宅配便で送られて来た青酸カリを飲んで、女性が自殺」

HPで自殺願望者の「相談」(どういった内容かわかりませんが)を受けていた男性が、
口座に代金を振り込んだ相手に、実際に青酸カリを郵送し、
上記の女性はそれを飲んで自殺したというものです。

加害者、被害者の区別が、ある意味わかりにくいのですが、
自殺が目的とわかっていて青酸カリを送ったのなら、
どちらが加害者なのかが、ちょっと見えてきます。

けれど、代金を振り込んだ男女7人の内、
実際にその青酸カリで自殺したのは上記の女性1人のみでした。

ある女性は飲もうとした瞬間、父に止められ、一命をとりとめた。
ある男性にも毒が送られていたが、母が本人に渡さず、保管していた。
そして、ある主婦は、「生きるための『お守り』」として大事にもっていたという。
(ドクター・キリコの「誤配」より)

手紙には必ず「誤配」という可能性がつきまといます。
けれど、この事件の場合、一体どれが「誤配」だったのか。
また、HPで行われていた「相談」とは何だったのか。
どのような言葉が交わされていたのか、そんなふうなことを考えてしまいます。

ソクラテスはこんなことも言っているそうです。
「書かれた言葉は、それを理解する人々のところであろうとも、まったく不適当な
 人々のところであろうとも、おかまいなしに転々とめぐり歩く」

(平安神宮の鳥居)