羅生門

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2007年10月09日 18:30

どんな話だったのかまったく忘れていたのですが、
先日「羅生門」(芥川龍之介 新潮文庫)を読みました。
この話、教科書にも出てましたっけ?

で、なんで読んだかといいますと、
ジム・ジャームッシュ監督/脚本の映画、「ゴースト・ドッグ」にこの本が出ていまして、
映画を久しぶりに観直したのを期に、ついでに読んでみたのでした。

ゴースト・ドッグとはフォレスト・ウィテカー演じる殺し屋。
依頼された仕事をしにいくと、現場に依頼人(マフィア)のボスの娘が居合わせます。
娘のことは知らないゴースト・ドッグでしたが、娘は殺さず、
その場で成り行き上、娘から一冊の本を受け取ります。

その本が「羅生門」。
もちろん英訳版です。

英訳版では「羅生門」に出てくる「下人(げにん)」とか「聖柄(ひじりづか)」が
どんなふうに訳されているのだろうかと、そんなふうなことを思うのですが、
本(=書かれたもの)と、その本とはある意味無関係に起こる出来事(=消えていくもの)との
奇妙な関係がせつなく描かれています。

この映画を観たことのある方なら、
なぜ「葉隠(はがくれ)」を読まないのか?と思うことでしょう。
(「葉隠」はゴースト・ドッグの愛読書という設定です)
むしろ武士道精神をまとめたこの本こそがテーマなのかもしれませんが、
いやいや、これを今、もう一度読み直すほど難しい作業はないんじゃないでしょうか?

(でも近いうちにこのブログでちょこっと触ってみますね。)