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2007年12月18日 18:30

ロス・ラブグローブというデザイナーの学生時代の逸話。

革のイスを制作するために、
乗馬用の鞍をつくる職人のもとへ訪れると、
その職人は夜の11時でも古い鞍の手入れをしている。
「騎手に何か問題があったのか?それとも特別な鞍なのか?」
と聞くと、職人は言いました。

「乗り手はどうでもいい。私は馬のことを気にしているんだ。
 馬はしゃべれないだろう。」

妻は我が家のネコとよく会話していますから、
乗馬をしている人がこの話を聞くと「馬だってしゃべれるわよ」
とか言われそうですけど(笑)、
気になったのは「乗り手はどうでもいい」というところ。

職人である以上、きっとこの人もそんなことは
思っていないと思う。
それでもそんなふうなことを言う裏には何があるのか?

馬にとって鞍ってなんなんですかね。

で、ラブグローブはこの職人に惚れ込んでイスの制作協力を求め、
美しいイスを完成させたそうです。

ちなみにこのロス・ラブグローブという人、
アップルのニュートンやソニーのウォークマンのデザインも
手がけたデザイナーとのことでした。

(旅行先、雨の日の写真。)